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友達に誘われて加入している保険のお客様感謝のディナーへ出かけた。
まさか知り合いには会わないだろうと思っていたのに、何年か前に職場を辞めた人が来ていてお互いびっくり!
いろいろと問題のあった人だったので後味の悪い思いを持っているだけに、ここでは会いたくなかった…という感じ。
今は何をしているのか?と勇気を出して聞いたら、現在も介護職をしているといい、「介護なんて何にも楽しくないですけどね!」と言った。 楽しくないのにまた同じ仕事をする。
何かこの言葉に違和感があった。
自分のしたい事を職業にしている人はほんの一握りの人達だろう。
生活のためには働かないといけない。
でも、全く自分が楽しくない!と言い切れる職にまた就くものだろうか?
誰もが、自分のしたい事ではなかったけれど、その中に ‘やりがい’ や ‘張り合い’ を持って仕事をしているものだと思っていた私にはちょっとショッキングな言葉だった。
本心ではないかもしれない。いい思いをしなかった元の職場にいる私に対しての当てつけの言葉ともとれる。
自らの仕事を蔑むように言う彼女が少し可哀想になった。
私は大変だけれども介護は楽しいと思っている。この仕事が好き。
問題はいつもたくさんあるけど、老人から得るものは多いし、私たちが支えているようで実は支えられているといつも感じる。
もうほとんどいなくなってしまったが明治生まれの方は物を大事にして、捨てるにも流儀があり、生活そのものが美しかった。
大正の方も一本芯の通った強さがあり、生きる知恵を豊富に持っておられる。
そして、逞しい。
私はこの時代の方々からいろいろな事を教わった。
それらは私の生活を豊かにしてくれた。
普通に暮らしていては絶対に触れ合うことのない年齢の人達との出会いを彼女もいつか大切に思う時があればいい、と願っている。